体裁・内容の似かよった本が出回っていますので、お求めのときは、チャンピオンコースの本かどうか、確かめてから買いましょう。
と書かれていることからも、たくさんの類似品が出ていたことがわかります。
この頃は子供の雑学への欲求を満たさんとするこうした書籍が華やかで、ジュニアチャンピオンコース以外では小学館の入門百科シリーズが有名どころでした。
「世界びっくり情報」は七つの章に分かれていて「世界一のノッポ少女」「断食記録112日間」といった人間びっくり情報から「世界一小さい銃、大きいくつ」「犬にかみついた男」といった珍品・珍事件びっくり情報まで、子供の食いつきがよさそうな話題が広く、浅くこれでもかと掲載されています。
前書きにも書かれていることですが、海外ネタの元になっているのは1971年に竹内書店から発行されたノリス&ロス・マクワーター著「記録の百科事典」という本、日本ネタの元になっているのは新聞各社の記事だそうです。雑多な情報をカテゴリー別に整理しているあたり、ちょうど今で言う所のまとめサイトみたいなものだと思ってもらうのがわかりやすいかもしれません。
図書室にあるような本ではありませんがマンガでもないので、学校に持って行ってもおとがめはありませんでした。休み時間に友達とワイワイ眺めるのにちょうどいい本だったと思います。
印象に残っていた記事のひとつに「ちび人間No.1 ジョイス婦人」があります。
身長74cm、体重4.5kgというイギリスのジョイス=カーペンターさんを紹介したもので、添えられた写真を見て女の子たちが「怖い、怖い」と騒いでいたのを覚えています。三頭身くらいにみえるジョイス婦人の写真には確かに見る者を不安にさせる雰囲気がありました。女子の手前なんでもない風を装っていましたけれども。
世界一、世界初、日本一的な記事が中心ではありますが、びっくりする情報ならなんでもOKなのでベタ記事的なものもちょくちょく出てきます。
犬がナイフを食べた
アメリカのベンジャミンさんがサンドイッチを作っていたところ、飼い犬のクラウドが、長さ三十センチのナイフをぱくり。よく飲みこめたものだ。
そのテレビもネット動画にその座を脅かされる今、これから先「世界びっくり情報」のような「本」が子どもを喜ばせる可能性は低そうです。