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昔読んだ児童書をもう一度読んで感想文を書いてみる、個人の企画サイトです。

『巨人の星』のどうでもいい話

「巨人の星」のどうでもいい話
イラスト:あみあきひこ

王と長嶋
世界びっくり情報」の感想文で「ONとは王・長嶋選手のことである」的なことを若い人に気を使ったつもりで書いてしまいました。
小学生の頃、大人から赤バットの川上やら青バットの大下といった終戦直後に大活躍したプロ野球選手の話を聞かされても、反応は薄いものでした。男子のほとんどが日常的に野球帽を被っていたほど野球の浸透度が高い時代だったにもかかわらずです。「昔」というのはせいぜい自分が生まれるちょっと前くらいまでで、それ以前は全部ひっくるめて「大昔」という感覚でしたので、30年も前の話を持ち出されても興味を持てなかったのでしょう。
ONが活躍していたのは今から40年も前のことですし、男子たるもの野球のルールぐらい知っているのが当たり前という時代でもありません。王・長嶋両選手の名前を出したところで「おお、そうなのか!」とはならずに「で?」と言われて終わりなのかもなと思ったわけです。
「今の若い人は知らないかもしれないけどね」で始まるおっさん特有のちょっと自慢げなアレが出てしまった上に、考えていたほどの効果もないようなのでちょっと悔しいです。


女子と帽子

たいていの男子が野球帽を被っていた件。みんなが野球大好きで贔屓チームを応援するために被っていたというよりは、日射病対策として帽子が有効とされていたからです。
日射病というのは今で言う熱中症のようなもの。当時は強い日差しにさらされることで体温が上がって障害が出るという認識が中心で、熱中症という言葉も一般的ではありませんでした。
本来ならばつばが広い帽子の方が日射病に対して効果的なのでしょうが、麦わら帽子を被るのはなんだか昔の子どもみたいで抵抗がありました。
男子の定番は野球帽でした。では女子はどうだったか。日射病のリスクは外で遊ぶ以上同じなので、親御さんもなんらかの帽子を被せていたはずですが、どんなものだったのかの記憶はありません。野球帽でなかったことは確かです。


巨人の星
野球といえばアニメ「巨人の星」の再放送を楽しみにしていた時期がありました。
その日も夕方5時の放送に間に合うように急いで帰宅してテレビの前に座りました。ところがいつものように流れ始めた主題歌が途中でぷっつり切れて「しばらくお待ち下さい」の画面になってしまったのです。
すぐに放送は再開されたものの画面に映ったのは全然違う番組でした。他のチャンネルに変えてみてももちろん「巨人の星」はやっていません。新聞のテレビ欄を確認してみても始まる時間はいつもと同じ5時になっています。
いつもと同じ時間……。
根本的な何かが間違っているような気がして壁の時計を見てみると、針が示しているのは4時少し過ぎでした。
そう、てっきり5時だと思い込んでいた時間は実はまだ4時だったのです。この日に限ってなぜか時間を勘違いし、そこにテレビ局の送出ミスという偶然が重なって、本来ならば観られるはずのないタイミングで1時間早い「巨人の星」のオープニングを観てしまったというわけです。

1時間後「巨人の星」は何事もなかったかのようにオンタイムで放送されました。

(2017.7.3更新)

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